コラム

充填機の仕組みや構造について種類別に解説

充填機は幅広い業界で活用されていますが、内容物によって異なる構造の充填機が使われています。この記事では、充填機の仕組みや構造について、種類別に詳しく解説します。

充填機とは

充填機とは容器に充填物を詰める機械です。食品や化粧品、医薬品など幅広く使用され、私たち身近にある商品の多くは、充填機を使用し製造されています。
充填物は液剤、固形、粉末、顆粒など様々な内容物があり、オートメーション化された自動充填機と、人の手を介して充填する半自動充填機があります。

充填機の構造と仕組み

充填機は大きく下記の3種類に分けられます。

  • 液体充填機:サラサラな液体に対応する充填機
  • 粘体充填機:トロトロな液体に対応する充填機
  • 粉末充填機:粉製品に対応する充填機

液体充填機

水のようなサラサラした液体を充填する機械です。
液体充填機には、重量式充填機(ウエイト式充填機)、容量式充填機(ピストンポンプ充填機)、ぺリスター充填機(チューブポンプ)などの種類があります。

重量式充填機とは、充填物の重量を秤で計量し、充填を行う機械です。重量式充填機の特徴は、容器の質量誤差の影響を受けず、充填物の正味重量を正確に把握・管理し、データ保存できます。

ぺリスター充填機とは、シリコンチューブ(軟質チューブ)を、ローラーで設定した回転数分だけ押しつぶして送液する充填機です。ぺリスター充填機の特徴は、液剤に接触する部品がシリコンチューブのみとなり、洗浄性に優れています。

粘体充填機

シャンプーなどのトロトロした液体を充填する機械です。

粘体充填機には、液体充填機同様に容量式充填機(ピストンポンプ充填機)、重量式充填機(ウエイト式充填機)などの種類があります。

容量式充填機とは、ピストンを使用し、メスシリンダー内に充填物を必要量吸引したのち、弁を開けて容器に充填を行う機械です。容量式充填機の特徴は、充填精度が非常に高く、構造もシンプルなため、多くの充填ラインで使用されています。

粉末充填機

小麦粉などの粉末状の充填物に対応する充填機です。

粉末充填機には、オーガー式充填機(スクリュー式充填機)、マス式充填機(摺り切り式充填機)、アコフィル式(容積式充填機)などの種類があります。

オーガー式とは、スクリューを使用して、粉末を送りだし充填を行います。オーガー式充填機の特徴は、スクリューの回転量により充填量の調整ができるなど使い勝手がよく、多くの充填ラインで使用されています。

計量方式による仕組みの違い

計量法式は大きく下記の3種類があります。

  • 重量充填機:秤で計量
  • 容量式充填機:別途ウエイトチェッカーなどが必要
  • 質量流量式充填機:流量計で計量

重量式充填機

秤を使用して実際に充填された充填物の重さを計測します。秤の上に容器が載ると、自動的に秤の値がゼロにリセットされます。充填が開始されると充填物の重さはリアルタイムで計量され、目標充填量に到達する直前に、弁を閉じて充填を終えます。

容量式充填機

容量式充填機には、秤や流量計がありません。そのため、充填後にウエイトチェッカー(コンベアー付の計量器)を通過させて計量する必要があります。容器やキャップの重量も加算された総重量での計測となります。

質量流量式充填機

流量計を使用して液剤の流れた量を計測します。充填吐出直前の配管内に流量センサーを設置します。センサーを通過した液剤の質量をセンサーにてリアルタイムで計測し、目標充填量に到達する直前に、弁を閉じて充填を終えます。重量式充填機と同様に、充填物の正味重量を把握管理およびデータ保存できます。流量計の単位をグラムに換算するため、センサーの計測値と実際の充填重量を操作パネルに入力する必要があります。

まとめ

充填機は「充填物」と「使用用途・目的」によって最適な性能・コストのものを選ぶことが大切です。スズキエンジニアリングでは、様々な容器、充填物、充填方式に対応していますので、お客様にとって最適な充填機をご提案させていただきます。